私の宗教論

 初詣マジファック。
 あー、はいはい。クリスマスね。良いんじゃないっすか?楽しそうで。セックスの口実ぐらいにはなりますもんね。
 未だに七五三のシステムってのが分かってないんですけど、あれって男の子が5歳で、女の子が3歳と7歳?逆?どっちでも良いや。いつか生まれてくるであろう我が子よ。肝に銘じておいてほしい。俺はお前のために着物なんて作ったり借りたりするつもりは一切無い。
 や、でもあれは好きですよ。ほら、名前は忘れたけれどカボチャかぶったり、お化けのコスプレして町を練り歩いてお菓子をねだったりする行事が有るじゃないですか。凄く楽しそう。俺もう二十歳過ぎてるけれど、あれはいまだにやってみたい。
 祭りの類って、語源は「祀る」ってぐらいだから宗教的なイベントなんですよね。神や祖先の霊を祀りましょうっていう。それが今やどうよ?お前らただ単に騒ぎたいだけなんちゃうんか、と。「三丁目ちびっこ祭り」だの「団地祭り」だの言語道断ですよ。
 祭りはもう「裸祭り」とか「道祖神祭り」みたいな奇祭以外は全部無くても良い。知ってます?「ひとり相撲」っていう祭りが有るんですって。「人間と精霊の壮絶なる戦い」として村の若い衆が孤独な相撲を取るんですよ。そんな素敵な祭りが21世紀の今でもあるだなんて日本最高。あとアイヌの祭りも良いですな。有名なアイヌモシリなんかはいまやヒッピー気取りの奴らが大麻吸いまくり祭りにしちゃってるらしいんだけど、イヨマンテとかマジ熱い。あれぞまさに宗教。小熊殺しておいて、「これでこの熊も神さまの元に帰って幸せになれる」って本気で喜んでるんだから。
 宗教なんて業が深くてなんぼですよ。
 ヒンズー教カースト制度ってのが有るのはご存知ですよね?その最下層に「ダリット(不可触民)」と呼ばれる人がいて、さらにその下、というよりカースト制の中にすら入れない「もう君ら完全に論外」的な「ハリジャン」って身分の人らもいるんですよ。この「ハリジャン」ってのは、死ぬまで不幸であり続けることを神様から保証されているという身も蓋も無い身分。で、当然そんな人たちを放ってはおけない、と数十年前から「ハリジャン」を改宗させて人並みの生活が送れるようにしよう、って動きがあったんですけど、実際に改宗に応じた「ハリジャン」は少数派だったんですって。俺はこの話を知った時身震いしましたよ。たとえ一生不幸であり続けようとも、神に定められたのならばその運命を甘んじて受け入れられるだけの覚悟があってこそ、「宗教」だと思います。本当に。
 先日、ローマ法王庁が「エイズ感染者は性交の際、コンドームを使用するな。エイズウィルスはコンドームの細かい網目をくぐって相手に感染するから意味が無い」って発言をしたらしいっすよ。カトリックとしては「避妊」という神の摂理に背いた悪魔の技術をなんとしてでも阻止したい、っていう思惑が有るんだろうけれど、その目的を達成することに必死になりすぎて頓珍漢なことになっちゃって。馬鹿らしいっすよね。でも、宗教の本質ってそういうもんだと思いますよ。馬鹿らしいことでも真剣に信じられる一種の魔法。そりゃ信じるものは救われるわ。